マルチチャンネル音声処理モジュール[ComHoop®]
アウトライン
トピック
[ComHoop® Board For Hands Free]
ComHoop®Board For Hands Free(以下ComHoop®Board)マルチチャンネルの入出力を可能にするボードで、音声通信における回線側、音響側のエコー、ノイズを低減させるハンズフリー通話ソリューションのほか、使用状況に応じて接続タイプの選択が可能です。
側面に1.27mmピッチのパターンがあり、基板への直付けが可能です。また、マイク、スピーカそれぞれにアンプが搭載されておりますので、マイクやスピーカに接続できます。
用途・応用例
- ハンズフリー(多地点)通話システム
- 音声認識システム、受付けロボット
- 高騒音下での音声伝送装置、アビテーション・ヘッドセット
- 車内コミュニケーション機能(次期バージョン)
スペック
ComHoop®Board For Hands Freeの特徴
- 広帯域、マルチチャンネル音声処理が可能なモジュールです。
- ARM Cortex-M7 (295MHz動作)を搭載。
- 4チャンネルのアナログ入出力。
- 2チャンネルのスピーカーアンプを搭載。
- 最大2つのコンデンサマイクと、最大4つのMEMSマイクを接続可能。
- SPI マスター 2チャンネル、スレーブ 1チャンネル。SPIで16bitモノラルデータの入出力が可能です。スレーブ動作時にマスター側とのサンプリング周波数のずれをソフトウエアComClutch®で吸収します。
- 自社開発の信号処理をソフトウエアで実現し、実装しています。ロバスト性を重視しています。
- ソフトウェアはカスタム構成・カスタム実装も可能です。
ソフトウェア
接続タイプを選択するときに以下の機能を使用しています。
機能 | ComHoop®Board For Hands Free |
---|---|
エコーキャンセラ・ エコーリダクション |
Comstabi®Ⅲ
送話経路にSignalCosme内包 |
マトリクスミキサー | Comvia®
入力にSignalCosme内包 |
サンプリングレートコンバーター | ComClutch® |
定常性ノイズリダクション | SignalCosme |
すべての機能は2.5msごとに処理をおこないます。
ComHoop® Board For Hands Freeの仕様、性能
MCU | ARM Cortex-M7、Microchip社SAMS70、295MHz動作 |
---|---|
CODEC | TI社TLV320AIC3204、2個 |
サンプリング周波数 | 8kHz〜48kHz(出荷時は16kHzサンプリング) |
アナログ入力 | 4チャンネル、ラインレベル/マイクレベル(マイク用電源有り) |
アナログ出力 | 4チャンネル、ラインレベル |
スピーカー出力 | 2チャンネル、1.4W(8Ω) |
デジタル入出力 | SPI、マスター2チャンネル、スレーブ1チャンネル |
電源 | DC5V(または3.3V) |
消費電流 | 150mA(無音時) |
動作温度範囲 | -40~80℃ |
寸法 |
43.2(W)×46.1(D)×7.6(H)mm |
ブロック図
カタログ(PDF)
ComHoop® Board For Hands Free カタログ
評価ツール
評価ボード(ComHoop®Board for HandsFree Evaluation Board)
ComHoop®Boardの端子を手っ取り早くお使いいただけるようにしています。電源端子(TML1,TML2)に適切な電圧(5Vもしくは3.3V)を入力し、音声信号の入力にステレオミニジャック(Lch使用)、MEMSマイクやコンデンサマイク、出力をピンジャックやスピーカーをつなげることでハンズフリー試験がすぐできます。PCとUSBを接続すると、付属のPCプログラムと別売りのI2CBridge Rev2を経由して設定の変更と保存もできます。
PCプログラム(ComstaviaMSEControllerLite、ComstaviaMSEController)
ComHoop®BoardのI2C端子から制御が行えます。評価ボードでご評価いただく場合、以下のようにボードとI2CBridgeRev2に接続したPCでPCプログラムを起動することで、ComHoop®Boardの内部情報を見ながらの設定ができます。
設計時では各種設定の変更、入出力信号レベル、残響消去の状況のモニタを容易に行うことが出来ます。変更した設定をComHoop®Board上のRomに書き込むこと、読み出すこともできます。
設定した内容は、PCプログラムのsaveボタンでPCに設定内容を保存すること、loadボタンでPCから保存された設定内容を再度読み込むこともできますから、他の基板へ転用することもできます。
また不測の現場対応でも、I2CBridgeRevとつながるように設計されたボードであれば、内部の動作から事態を推定し、設定の変更、保存することが容易となるでしょう。
ComstaviaMSEController(要NDA締結)
ComstaviaMSEControllerLite
接続タイプ
ComHoop®Boardではたくさんの接続タイプを規定しています。設定はI2C経由で行い,ボード上のROMに設定を記憶させることで(再)起動してもその設定を活かすことができます。接続タイプ1,2,3,6,7,12についてはComstabiIII®LSEditionBoardと共通です。
接続タイプ | 説明 | イメージ図 |
---|---|---|
0 | Port0空間が拡声通話、他複数のPort空間との接続で、Port0空間のエコーと背景音に対応するとともに、各空間のミキシングを行います。 | |
1 | Port0空間とPort1空間で拡声通話の接続で、Port0空間とPort1空間のエコーと背景音に対応します。 | |
2 | Port0空間が拡声通話の接続で、Port0空間のエコーと背景音に対応します。(工場出荷設定) | |
3 | Port0空間が拡声通話の接続で、Port0空間のエコーと背景音、Port1空間の背景音に対応します。
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4 | 前段のComstabi®で近端ノイズ音、後段のComstabi®でエコーと背景音に対応します。Port1Inは近端ノイズ音源のそばに配置し、Port0Inより早く収音される必要があります。 | |
5 | 各空間のミキシングを行います。 | |
6 | Port0空間が拡声通話、Port1側がハイブリッド回路と接続するときに、Port0空間で発生するエコーと背景音、ハイブリッドエコーにそれぞれのComstabi®が対応します。 | |
7 | Port0に回線エコーがある(Port1で起きる残響は無視) | |
8 | Port0の近端ノイズ音の減衰とミキサーです。Port1Inは近端ノイズ音源のそばに配置し、Port0Inより早く収音される必要があります。 | |
10 | 接続タイプ7を2つ分行います。 | |
12 | Port1Inを近端ノイズ音、Port0Inには近端発音とノイズ音入力され、ノイズが低減された近端発音が出力されます。Port1Inは近端ノイズ音源のそばに配置し、Port0Inより早く収音される必要があります。 | |
13 | 接続タイプ2と似ていますが、既設のスピーカーに対応すべく、ComHoop®Boardを経由しないでもエコーに対応する接続です。 |
ご利用可能なシチュエーション
Comstabi® ⅢLSEBoardと(ディジタル接続は違いますが)同様のシチュエーションでより高いサンプリング周波数でのご利用が可能です。
少量製品への組み込み
少量でのご利用にも対応します。まずはEvaluation Boardで動作をご評価ください。
サンプルパフォーマンス
工事中
次期バージョン
現在次期バージョンを鋭意準備中です。エコーキャンセラとビームフォーマを組み合わせて、
車内コミュニケーション機能(ICC)をターゲットとした接続タイプもご用意できる見込みです。
この映像は運転席から後部座席へ声が通るものですが、後部座席から前部座席へも声が通ります。